不眠症だけじゃない!睡眠障害の種類と症状を知ろう

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「夜眠れない」「日中に強い眠気に襲われる」。こうした症状があるからといって、必ずしも「不眠症」とは限りません。不眠症以外にもさまざまな「睡眠障害」があるのです。睡眠に関するつらい症状を慢性化・深刻化させないためにも、睡眠障害について理解しておくことが重要です。ここでは、不眠症を含む代表的な4つの睡眠障害を解説していきます。

 

代表的な4つの睡眠障害

不眠症

 

不眠症

 

睡眠障害の中でももっとも多くみられる疾患が「不眠症」です。不眠症の主な症状は次の4つに分けられます。

 

  • 入眠障害 寝つくまでに30分~1時間以上かかる
  • 中途覚醒 寝ている間に何度も目が覚めてしまう
  • 早朝覚醒 通常の起床時間よりも2時間以上早く起きてしまう
  • 熟眠障害 睡眠時間は十分にも関わらず、ぐっすり眠った感じが得られない

 

こうした症状が、週2回以上みられ、かつ1か月以上続いていること。さらに、不眠によって日中の眠気、倦怠感、意欲低下、集中力低下などの心身の不調が現れ、日常生活に支障をきたす場合、「不眠症」に該当します。不眠症は20~30代に始まり、中高年になると特に増加するのが特徴です。

 

不眠症の原因について、詳しく知りたい方はこちら
「5人に1人が不眠に悩んでいる?不眠の症状と原因を解説」

 

過眠症

 

過眠症

夜眠っているにも関わらず、日中に強い眠気が生じ、社会生活に支障をきたすほど重度の眠気が起こるのが「過眠症」。そのなかでも代表的なタイプが「ナルコレプシー」であり、多くは10代で発症します。

もっとも基本的な症状は、日中の耐え難い眠気と居眠りが繰り返し生じること。危険な作業中や食事中など、通常では考えられないような状況でも強い眠気に襲われるため、重症だと本人も気づかないうちに眠り込んでしまうケースもあります。

 

概日リズム睡眠障害

 

概日リズム睡眠障害

私たちの体には約24時間周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっており、睡眠も体内時計によってコントロールされています。この体内時計に狂いが生じることで起こるのが「概日リズム睡眠障害」です。交代制勤務や不規則な生活などによって、昼夜のサイクルと体内時計のリズムが合わなくなると、自ら望む時間帯に睡眠をとれず、日中に眠気や不調が生じて、日常生活に困難をきたすようになってしまいます。

 

睡眠時無呼吸症候群

 

中高年_不眠

 

「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に何度も呼吸が停止し、深い安定した睡眠が得られなくなるために、日中に強い眠気や倦怠感を感じる疾患で、特に中高年に多くみられます。

なかでももっとも多いのが「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」といって、肥満や顎の形などによって気道が閉塞しやすいために起こるタイプ。大きないびきや歯ぎしり、睡眠時の窒息感、あえぎ呼吸などの症状が起こりますが、睡眠中の症状なので本人が自覚していないことが多く、家族や周囲の方の注意が必要です。 

 

「ただの睡眠不足」と考えず、医師に相談

睡眠障害を「ただの睡眠不足」と考えるのは危険です。朝起きられない、居眠りといった症状があるため、周囲からは「怠けている」と誤解されることも多い睡眠障害ですが、重度になると本人の意思や努力だけで、正常な睡眠サイクルに戻すのが困難になります。無理をし続けると、強い眠気によって交通事故や労働災害を引き起こす危険性もあり、安易に見過ごせない疾患なのです。

自ら睡眠サイクルを整えようとしても改善せず、不眠によって日常生活に支障をきたしている場合は医師に相談しましょう。

 

 

 

<参考>
内田直『おもしろサイエンス 安眠の科学』日刊工業新聞社、2013年
内山真(睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会)編『睡眠障害の対応と治療ガイドライン』じほう、2012年
田中匡『快眠と不眠のメカニズム』日刊工業新聞社、2007年
アステラス製薬・サノフィ 快眠推進倶楽部
エスエス製薬 ドリエル
MSD 快眠ジャパン
厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス「睡眠障害」
武田薬品工業 体内時計.jp
田辺三菱製薬・吉富薬品 スイミンネット
養命酒製造 健康知識・情報「睡眠が変われば人生が変わる」

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